とずけんどっとこむ

題材集archive 〜高学年(5〜6年)編〜

 

土つちアート
指導者:杉山 裕子(杉並区立方南小学校)

活動写真
IMG_2587.JPGIMG_2592.JPGIMG_2625.JPGIMG_3023.JPG
題材について
様々な種類の土を探し、触れ、感じました。それを絵の具にすることで土をのり水と混ぜたり、紙の上で伸ばしたり、手などからだ全体の感覚を使って土を感じます。たっぷりと土に触れることで土の多様な色や感触や面白さに気付き、自分のイメージを見付けて表現します。
キーワード
探す 感じる 確かめる
評価規準
・土の様子やのりの混ぜ方に興味をもち、美しさや面白さを自分なりに表そうとする。
・土絵の具の作り方や塗り方を考え、その表情の変化に気付き、組み合わせたり、引っ掻いたりしながら、イメージを膨らませる。
・土絵の具の特徴や指や筆でかいた線や面を十分に活かし、自分の表したいものを工夫して表す。
・自分や友達の活動や作品を見たり、感じたりしてよさや面白さなどに気付く。
領域
A表現(1)(2)
学年
第5学年
時間
4時間
材料・用具
校庭で見つけた土、プリンカップ、白ボール紙(4種類くらいの大きさ)、PVAのりを水で薄めたもの、筆
場の設定
校庭のさまざまな場所、画用紙を広げられるスペース(外)、図工室
活動の流れ
1/土に出会う。

・色の違いを感じ、確かめながら校庭の土を採取する。

・学校内の環境を感じる。

2/土絵の具をつくる。

・匂いをかいだり、ほぐしたりしながら、のり水を混ぜて絵の具をつくる。

・土絵の具遊びをしながら、その感触や色を楽しむ。

3/表現する。

・土絵の具から見付けた色やかたちで自分の表したいものを探る。

・感じたものを表す。

4/自分や友達の作品を鑑賞する。
こどもの様子
「土絵の具をつくりましょう」という声に、子どもたちは驚きとワクワクした期待感をもって活動に取りかかりました。改築中である本校は校庭がありません。しかし、子どもは探検家のように土の場所を見付けては、いろいろな種類の土をカップに詰めていました。同時にその感触、色、匂いを味わっていました。土絵の具を見付けながら、友達と一緒に土遊びをしたり、植物や虫を探したり、学校内の探検をするなど、環境や人ともかかわっていたようです。のり水を混ぜ始めて、活動はさらに活発になっていきました。のり水を加えることで子どもたちにとって気持ちの良い感触になり、どの子も表情を和らげ、絵の具づくりに没頭していました。
今回、「土絵の具をつくる、そして表現する」ことが目的であったので、画用紙を手渡しました。表現する対象は自由です。目の前に広がる風景をかく子もいれば、紙の上で土絵の具の感触を味わいながらイメージを膨らませていた子もいました。
「ずっと土を触っていたら、かきたいものが生まれてきたの!」
土に触れた時間をたっぷりと堪能した子どもの答えです。

屋上から見た風景
指導者:管谷 千紘(渋谷区立長谷戸小学校)

活動写真
1.JPG2.JPG3.JPG4.JPG
題材について
屋上に上り、暖かい日差しや爽やかな風を感じながら、自分が見たり感じたりした恵比寿の町を表します。見ることを手がかりにして、自分らしい表現を追求する題材です。
キーワード
見る、感じる、自分らしさ
評価規準
・表し方を工夫して、自分らしい絵づくりを楽しむ。
・自分の感じ方を大切にしながら、画面づくりを考える。
・表したいことに合わせて、形や色を工夫して表す。
・自他の感じ方の面白さや表し方の工夫を感じ取る。
領域
A表現(2)
学年
第6学年
時間
6時間
材料・用具
画用紙・わりばし・墨汁・油性ペン・水彩絵の具
場の設定
屋上に行き、自分の気に入った場所を見付けて活動する。
活動の流れ
1/屋上に行き、自分のかきたい風景を見付ける。
2/わりばしペンや油性ペンでかいたり、色を工夫したりして、自分らしい表し方を工夫しながら風景をかく。
こどもの様子
屋上に上がると、暖かな日差しと爽やかな風に包まれました。「気持ちいい〜」「こっちが私の家のある方角だ!」「遠くに東京タワーが見える!」など、あちらこちらから子どもたちの弾んだ声が聞こえました。屋外の広々とした空間は、いつもの図工室とはひと味違い、子どもたちの気持ちをゆったりと解放してくれたようでした。
今回の題材は、風景をそっくりに写生するのではなく、見ることを手がかりとして自分らしい風景をかくことを目標としました。そのことを子どもたちも十分にわかっていて、重なり合って立つビルの形を自分なりに構成したり、見えたものを片っ端からどんどんかき込んだり、自分の好きな色に町を染めたりと、思い思いに表現する姿が見られました。広々とした空間のおかげか、いつもよりのびのびと線をかいたり、筆を動かしたりしながら、自分のとらえた形、感じた色で表現していました。子どもたちにとって、ビルやマンションの四角いフォルムは思ったよりも形をつかみやすかったようです。自分なりの表現が生まれました。

木偶(でく)の棒
指導者:加藤貴子(江戸川区立清新第三小学校)

活動写真
加藤 木偶の棒 01.jpg加藤 木偶の棒 02.jpg加藤 木偶の坊 03.jpg加藤 木偶の棒 04.jpg
題材について
木の皮を削り、木肌を彫る…。その過程で、自分が選んだ木の枝に愛着を感じ始めます。選んだ枝の形を活かしながら、生き物をイメージし表わしていきます。一人一人が想像する架空の生き物“でくのぼう”が出来上がりました。
キーワード
木・削る・彫る・イメージ・生き物・でくのぼう
評価規準
・ 木の枝を使って工作することに意欲的に取り組んでいる。
・ 自分の想像する生き物“でくのぼう”のイメージをふくらませながら発想している。
・ 選んだ木の枝の特徴を活かしながら、表現の仕方や道具の使い方を工夫している。
・自分や友達の作品や活動をみて、よさや違いを感じとっている。
領域
A表現(2)
学年
6学年
時間
6〜8時間
材料・用具
木の枝、小刀、彫刻刀、のこぎり、ポワステイン、アクリル絵の具、ガスバーナー
場の設定
図工室
活動の流れ
1/好きな木の枝を選び、長さを決めてのこぎりで切る。
2/小刀で木の皮を削りながら、刃物の扱いに慣れる。
3/日本の仏像やアフリカの彫刻など木でできた彫刻作品の鑑賞をして、つくりたい生き物のイメージを思い浮かべる。(紙にスケッチしたり、直接木に線書きしたり。)
4/彫刻刀や小刀などをつかって、全体の形をつくったり、細部を彫ったりしながら、イメージを膨らませる。
5/色を塗りながら、“でくのぼう”の想いを深める。
6/皆の作品を並べて鑑賞する。
こどもの様子
休み時間に男の子が数人、主事さんが剪定してくれた木の枝の皮を削ることに夢中になっていました。彼らの楽しそうな様子から、何か題材にできないかと考えました。
6年生のほとんどが小刀初体験。どきどきしながらもすぐにコツをつかみ、削る行為や木の質感を楽しんでいました。いつもは賑やかな図工室も、この時ばかりはしーんと静まり、皆の集中力が際立っていました。
途中でいろいろな資料を鑑賞しましたが、それにとらわれず自分たち自身で、架空の生き物“でくのぼう”イメージを膨らませていました。「いろんな顔をいくつか組み合わせてみる。」「口に枝をくわえさせたら、ワニに見えて来た!」「ほそーい枝で脚長のモデルさんにしよっと。」など、一人一人のなかで“でくのぼう”が誕生する瞬間が違い、活動が広がりました。
作品の過程も様々で、もとの木の枝の形を利用して手足をつくったり、顔の表情に集中してつくり込んだり、手足を別な枝でつくって組み合わせたりと、子どもたちの創造力は私の予想を超えていまいました。そして、つくりたいものに向かって試行錯誤し集中する姿、自分なりにつくり方や道具を工夫する姿など、高学年らしい力が発揮されていました。何よりも、完成した時の子どもたちの満足そうな表情が印象的でした。

シートでアート
指導者:岡田 京子(町田市立町田第四小学校) 

活動写真
1.JPG2.JPG3.JPG訂正10.jpg
題材について
養生シートの特徴と、学校内の選んだ場所や環境の特徴を基に発想し、学校内の場所をつくり変えることを楽しむ。
「養生シート」は、好きな長さに切ることができ、まるめたり結んだりしやすい材料です。造形遊びでは、子どもの多様な発想に応えることのできる材料を選ぶことが、活動を豊かに広げることにつながります。本題材は、この養生シートの特徴と、場所や環境の特徴を考え合わせて発想しながら、学校内の場所を楽しく変えてみようという題材です。養生シートを持って校舎内や校庭を歩き回り、気に入った場所を見付けることから始まるこの活動は、材料と場所や環境を考え合わせながら発想や構想を繰り返し、友達と関わり合いながら、つくり、つくりかえ、つくる活動が展開されるのではないかと考えました。
キーワード
材料、場、環境
評価規準
・  材料と場所の特徴を生かしながら学校内の場所を変えることを楽しんでいる。
・  養生シートと場所や環境の特徴を考え合わせながらどんなことができるか発想している。
・  養生シートと場所や環境の特徴を生かしながら、工夫してつくっている。
・自分たちや友達のグループの活動や作品のよさや美しさを感じている。
領域
A表現(1)
学年
高学年
時間
2時間
材料・用具
材料:養生シート、テープなど
用具: はさみ、脚立、椅子など
場の設定
校内や校庭の遊具など 事前に図工で使用することを伝えておく
活動の流れ
1/養生シートを持って校舎内や校庭に行き、場所の雰囲気を感じながら、シートで何ができるか試す。
2/風や光、場所の雰囲気を感じながら、シートでいろいろと試し、意見を出し合い場所を決め、活動をはじめる。
3/活動する中で思いついたことや、新しい気づきを取り入れながら自分たちのイメージをもとにつくっていく。
こどもの様子
図工室では、養生シートを体に巻き付けて遊んでいましたが校庭に出たとたん、子ども達の活動は、シートを風になびかせたり、光に透かしてみたり、場所や環境の特徴を基にしたものへと自然と変わっていきました。子ども達は、風と光、場所の雰囲気を感じながら、シートでいろいろと試し、グループで意見を出し合いながら場所を決めていました。これは、材料や場所などの具体的な特徴をとらえようとしている姿であるとともに、発想や構想の能力を発揮しはじめている姿だといえるでしょう。
遠くから見て形を考え直したり、遊具の空間の奥行きに配慮しながら活動したりする子ども達もいました。風が吹いてシートがなびいたのをきっかけに、今までやってきたことをやめて、シートを細くはさみで切って結ぶということをはじめからやり直したグループもありました。これは、発想構想の能力と創造的な技能そして鑑賞の能力が総合的に発揮されている姿でしょう。休み時間には、他のクラスや他学年の子どもたちがたくさん遊びにきてくれました。自分たちが感じてつくったものに、他学年の子ども達が興味をもってくれたことは、高学年ならでは格別な喜びだったようです。

つつんだ A・KA・RI −光が あかりに かわる時−
指導者:田中明美(品川区立立会小学校) 

活動写真
田中 AKARI 01.JPG田中 AKARI 03.JPG田中 AKARI 02.JPG田中 AKARI 04.JPG
題材について
子どもたちは、光のカタログから光と出会い、光が一瞬で変わることを体で感じます。その変化の違いに気付いてから、ハロゲンライトしか点いていない真っ暗な部屋の中で光の造形が始まります。光をつつんだりしながら、色や広がり、柔らかさ、反射、重なり、影にもこだわりながら、自分たちで選んだ方法で表していき、また、同時に鑑賞しながら、友だちとつくり合う題材です。
キーワード
出会う、体で感じる、光に向き合う、光があかりにかわる
評価規準
・材料の色や形と光の変化・場所に体全体の感覚を働かせ、関心をもって進んで味わおうとする。
・材料の色や形による光の変化に関心をもちながら、初めて試みる光の変化の表し方に挑んだり、偶然に見つけた変化の面白さを楽しみ、視覚的にも楽しい造形活動を発想する。
・空間の中で、体全体の感覚を働かせ、材料を組み合わせたり、変えたりしながら光の変化をとらえて工夫する。
・光・いろいろな材料・場とのかかわりや友達の表し方に刺激され、よさや美しさ、楽しさ等、自分の感じ方を大切にしながら光の変化に必要なものを選ぶ。
領域
A表現(1) 〈A表現(2)〉
学年
第5学年
材料
ソフトタイベックス、白画用紙、グラシン紙、薄葉紙、レース和紙、ゼラチン紙、板ダンボール紙、白ボール紙、アルミホイル、ビニール袋、足場用番線、自然材、アルミ線、竹ぼうき、ガムテープ、ビニールテープ、セロテープ など
用具
ハロゲンライト、延長コード、図工室の椅子、ワイヤー、等賞旗用の台、はさみ、ステープラー、ペンチ、釘 など
場の設定
体育館・図工室・教室など
活動の流れ
1/光をつつむとは?

・ハロゲンライトだけ点いた暗い部屋で、この明るさを感じる。

・光が一瞬で変化するなど、光の変化・違いに気付く。

2/材料を選んで、光をつつんでみよう。

・グループでスタートする場所を決め、いろいろな材料から光の変化を感じる。

・光に向き合いながら、光をつくり変えていく。

3/つつんだAKARIのショータイム

・自分たちや他のグループのAKARIをいろいろな方向から鑑賞する。

こどもの様子
真っ暗な体育館の中での造形でしたが、子どもたちは、一瞬で変わる光の変化に感動し、試しながら自分たちの選んだ材料・方法で光をつつんでいました。同じ白い紙材料でも、光を通すと違って見えます。また、横から、寝転んで、床に写った光と影を見る等、自分たちの見方も工夫しながら自分たちの思った感じに近づくようにとつくり変えていました。違うグループのAKARIを鑑賞する時も、その見るポイントを聞きながら、自然と皆で膝を付いて見たり、上を見上げたりと、その体育館全体もAKARI化しました。

秋のカメレオン
指導者:吉岡 琢真(八王子市立第一小学校)

活動写真
1.JPG2.JPG3.JPG4.JPG5.JPG6.JPG
題材について
保護色として周囲の環境に合わせて体色を自在に変化させることができるといわれるカメレオン。落ち葉を構成してカメレオンをつくり、その葉の色から想像を広げてカメレオンのいる場所を描く。
評価規準
・構成したり、想像をひろげたりして絵に表すことに関心をもつ。
・落ち葉の形や色の特徴から発想する。
・多様な色づくりをしたり、イメージに合わせて表し方を工夫したりする。
・自分たちが描いたりつくったりしたものを味わう。
領域
A表現(2)
学年
第5学年
時間
4時間
材料・用具
画用紙、絵の具、パステル、はさみ、ボンド
図工室、秋の校庭
活動の流れ
1/落ち葉を拾いに行く。
2/組み合わせて、カメレオンをつくる。
3/ボンドでしっかりつける。(しっかりつけないと水分がなくなりポロポロととれて壊れてしまう。)
4/葉っぱにある色を使って、カメレオンがいる場所を想像して表現する。葉っぱの色は、よく見ると、複雑で多様であることに注目する。
こどもの様子
子どもたちはいろいろな色や形の落ち葉に見つけ、楽しそうに拾っていました。その色や形のおもしろさを工夫して構成し、自分らしいカメレオンをつくっていました。また、落ち葉の色から多様な色味を見つけて色づくりに夢中になったり、想像を広げてカメレオンのいる場所を楽しんで描いたりなど、活動の流れの中で子どもの意欲的な表現が見られました。

でこぼこあーと
指導者:中島綾子(板橋区立舟渡小学校)

活動写真
030 中島 でこぼこあーと 01.jpg030 中島 でこぼこあーと 02.jpg030 中島 でこぼこあーと 03.jpg
題材について
段ボールの板を切ったりはったりやぶったり、さらに他の材料をつけて…そうして表れた不思議な世界にスプレーで色つけ。自分の「いい感じ」の世界をさぐります。
評価規準
・ 段ボールや他の材料で、でこぼこをつくることや色であらわすことを楽しみ、意欲的に活動している。
・ 材料の特徴から面白いでこぼこを発想したり、カラースプレーの色の付き方から自分で表したい感じを思い描いたりする。
・ 材料やスプレーの色などから自分であらわしたい感じを工夫している。
・ 友だちや自分の作品にそれぞれのよさ、美しさ、面白さなどを感じる。
領域
A表現(2)
学年
6学年
時間
4〜5時間
材料・用具
段ボール板、ボンド、紙ひも、ストロー、砂、麻ひも、白塗料 カラースプレーなど
図工室 屋外
活動の流れ
1/段ボールをすきな大きさに切り、それを破ったり、穴をあけたり、またつけ加えたり、他の材料を使ったりして、でこぼこな画面をつくる。
2/白絵の具を全面にぬる。(スプレーの発色を良くするため)
3/スプレーで色をつける。(必ず屋外で)
4/使いたい子は絵の具なども使って仕上げる。
こどもの様子
扱いやすいけれど、すこし抵抗感もある段ボールを、色々な方法で変化させ、みんな黙々と活動していた。穴をあけた中にストローを並べ、さらに動くように…など細かい技を試みる子、図工室をうろうろして何か使えそうな道具や材料を探しまわる子など、言葉では表せない、「なんかいい感じ!」「面白い!」を、みつけようとする場面がたくさんみられた。スプレーでの着色で自分の作品が劇的に変化するのもまた魅力だったようだ。塗料がたまってじゅわじゅわするまでかける子どもたちには、使いすぎ…とはらはらしたが、使いすぎる中で、いい感じが見つかってゆくのだなあと、最後の出来に満足そうな顔を見て思いました。

古代ニンゲンは
指導者:深澤しのぶ(足立区立千寿双葉小学校)

活動写真
029 深澤 古代 01.jpg029 深澤 古代 02.jpg029 深澤 古代 03.jpg029 深澤 古代 04.jpg
題材について
昔むかしの人々は、洞窟の中に言葉や思いやメッセージを刻み込んだ。それらの記録や神話を見て感じて、古代の人の気持ちを考えながら描いてみた。
評価規準
・作品資料や自分たちの作品に関心を持って見る。
・ボンドの感触を楽しみながら、つくりだすことに意欲的に取り組んでいる。
・材料の特徴を生かし、思いをめぐらせ工夫して表す。
・作品資料や自分たちの作品に関心をもって見る。
領域
B鑑賞(1)及びA表現(2)
学年
高学年
時間
4時間
材料・用具
段ボール・ボンド・胡粉・(自分で集めてきた)砂・石・小枝などの自然物・共同ポスターカラー・スポンジローラー・筆
図工室・校庭・花壇など
活動の流れ
1/DVD資料(ラスコー・カカドゥ国立公園・タッシリナジェールなど)を鑑賞する。
2/古代にあったかもしれない砂・石・小枝などの自然物を集めてくる。
3/ダンボールの上でボンド・自然物・胡粉をブレンドし、洞窟の壁をつくる。
4/乾いた壁にポスターカラーで色をつけたり、描き加えたりする。ローラーと筆を併用する。手で描いてもよし。
こどもの様子
本物の力はやっぱりすごい!と資料を見つめる子どもたちを見ながら思いました。もちろん現地に行って本物を鑑賞できるわけではないのですが、作品資料から伝わるリアリティや神話などのストーリー性に引き付けられている様子がよくわかりました。
その後の制作の様子も、とても勢いがありました。壁づくりの時の、ボンドのヌメヌメした気持ちよさに浸りつつも、「これを描きたい!」とか「洞窟ってこんなだよな・・」と子どもたちのイメージが広がっていきました。
支持体として大きなダンボールを使いましたが、その学年の身体に応じたスケール感って大切であると思いました。
古代の人々が壁の絵の中に当時の様子を記録したり、願いを込めて神話の神を描いたりするのと同じように、子どもたちも作品に「願」をかけているような気がしました。

「アミーゴ!夢のメキシコ!」
指導者:宮内 愛(品川区立平塚小学校)

活動写真
1.JPG2.JPG3.JPG4.JPG
題材について
まだ見ぬ夢のメキシコ。コラージュしたり、鮮やかなアクリル絵の具でド派手に描いたり、写真や音楽、宮内先生のテキトーなメキシコ話から思い思いにイメージを広げてみましょう。
評価規準
・自分の想像をもとに、表現することに意欲的に取り組んでいる。
・メキシコの資料から、雰囲気や具体物などを自由に発想、構成している。
・コラージュの特徴を生かしたり、アクリル絵の具で描いたりしながら自分の表現したいものを工夫して描いている。
・自分や友達の作品や活動をみて、面白さを感じている。
領域
A表現(2)
学年
高学年
時間
4時間
材料・用具
黄ボール紙、メディウム、アクリル絵の具、染料、コラージュ用の切り抜き、観光本(地球の歩き方・メキシコ)
図工室
活動の流れ
1/スペイン語講座「アッミーゴ!テッキーラ!」は完璧に。
2/写真や音楽からメキシコへの思いを広げる。
3/異国情緒や賑やかさを助長すべく、黄ボールにコラージュをする。
4/下地のコラージュの気に入ったところを生かしながらアクリル絵の具で描く。
5/友達はどんなのを描いたのかな?
こどもの様子
「先生の後に続いて発音しましょう。アッミーゴ!」子どもは嬉しそうに「アッミーゴ!」と返してくれます。何だか分からないけれど、楽しそうなメキシコ。あんまり構えずにひょいひょい落書きするみたいな感覚で、メキシコ?の色や形、琴線に触れた要素を拾って描いていく中、一面のサボテン畑、ガイコツ楽団、子どもが何を拾っていくかを見るのがとても楽しかったです。授業の終わりには、ルチャリブレとかマリアッチとか、かなりのメキシコ通になった様子。大きくなってメキシコに行って「なーんだ、全然違うじゃんか!」と笑えれば、すごくステキだと思うのです。

サモトラケのニケ
指導者:横道 広樹(多摩市立南鶴牧小学校) 

活動写真
横道 ニケ01.JPG横道ニケ02.JPG横道ニケ03.JPG横道ニケ04.JPG横道ニケ05.JPG
題材について
ニケ像を、いろいろな方向からみたり、肌触りや重さを感じたりする。体感を通し、ものの見方や感じ方を深めながら、自分に合った表し方で絵に表していく。
評価規準
・ニケの特徴に関心をもち、様々な方法を試みながら表そうとする。
・ニケを見て感じたこと、気づいたことを自分に合った表し方で表す。
・自分が表したい様子が表れるように、様々な方法を試しながら表そうとする。
・自分や友達の表し方のよさや、感じ方の違いがあることに気づき関心をもってみる。
領域
A表現(2)
学年
第6学年
時間
6〜8時間
材料・用具
ニケ石膏像 黄ボール紙全判 液体粘土 アクリル絵の具 パステル クレヨン ローラー 筆 刷毛など
図工室 広い場所
活動の流れ
1/ニケの石膏像に出会う−感じたことを発表する−ニケ像について知る。
2/黄ボール紙全判に液体粘土を塗り広げる。
3/ニケ像をみて、気に入ったところから指で描きはじめる−乾燥させる。
4/自他の作品を見合う。
5/アクリル絵の具やクレヨンやパステルを使って、色を混ぜたり、重ねたり、こすったりと様々な方法を試しながら自分が感じとったニケを表す。
こどもの様子
ニケの石膏像をみて、「すごい何これ」「首がない」「鳥人間」などと感じたことを思い思いに述べていました。ニケを描くことを伝えると、「えー難しそう」とつぶやく様子が伺えました。液体粘土を塗り広げて指で描いていく過程で素材の面白さをを感じながら、何度でもかき直せることがわかり、いろいろ試しながら絵に表していました。体全体で大きくとらえてほしかったので、大きな紙を使いました。「思ったより描けた」と満足そうな笑みを浮かべ、友だちと作品を見合う子どもの姿がありました。また、制作途中などで作品を見合う機会を多くもったことが、新たな発見を見出す機会となり、自分の表現に生かすきっかけになったようです。活動が進むにつれて、ニケをみる時間は短くなり、自分のイメージを画面の中に描き出す活動が主になっていくようでした。

「ぼくのばらいろのじんせい」
指導者:餅 和子(台東区立金曽木小学校) 

活動写真
011 餅 ぼくのばらいろの人生 01.JPG011 餅 ぼくのばらいろの人生 02.JPG011 餅 ぼくのばらいろの人生 03.JPG
題材について
6年生になって初めての題材である。ばら色ってどんな色?自分の座っている位置から見える面白いものって何?いろとかたちの組み合わせで自分の世界をつくりだす。
評価規準
・自分のばら色をつくりだすことに意欲的に取り組んでいる。
・見つけたかたちから、描きたいものの組み合わせを発想している。
・大きさを変えたり、色の組み合わせを考えたりしながら、工夫して描く。
・自分や友だちの作品や活動を見て、そのよさや面白さを感じている。
領域
A表現(2)
学年
高学年
時間
4時間
材料・用具
画用紙、チョーク、水彩絵の具、パステル、花、果物
図工室
活動の流れ
1/ばら色という言葉のもつイメージを感じとる。
2/図工室の自分の席から見える、面白いものを選んで描く。
3/チョークや絵の具を重ねて、自分の気に入ったばら色になるように工夫する。
4/ばら色と黒と白の組み合わせを生かして描く。
5/図工室や教室をばら色の作品でいっぱいにして楽しむ。
子どもの様子
小学校生活最後の今年、一年間の自分の希望や、前向きな気持ちが素直に表現できるタイミングです。暖かな春の季節感を感じながら、「ばらいろ?」「ピンク」「きいろ」「派手ないろ」「あお!」「えーっそんな色あるの?」などと言いながら、自分にとってのばらいろを探します。図工室にはそれとなく、拾ってきた自転車のタイヤ、昔の子どもたちがつくった作品、(これは絵にすると不思議な存在感があります)ギター、桜の枝などを置いておきます。いっしょに切った果物も置いておきます。「ああーいいにおい!」もちろん描いた後にはみんなで分け合ってほんの一口いただきます。大きなからだに小さなしあわせ、笑顔が伝染します。
2週間目には、仕上げます。黒と白とグレーで「きれい」と「はっきり」を画面のどこかに仕込みます。友だちの作品をみて、笑ったり驚いたり、選んだ部分に自分との違いを感じとっていました。

「なみのりジョニー」
指導者:大畑 祐之(板橋区立高島第五小学校) 

活動写真
009 大畑 なみのりジョニー 01.jpg009 大畑 なみのりジョニー 03.jpg009 大畑 なみのりジョニー 02.jpg
題材について
スーパーで見かけた気になる名前の豆腐を題材のきっかけにした。「なみのりジョニーってどんなひと?」「その後のジョニーは」と、思いを巡らせ想像してつくっていく。
評価規準
・道具の使い方を身につけながらつくりだすこと喜びをみつけ、興味をもち取り組んでいる。
・ジョニーの様子を考えたり、切った形のおもしろさから思いついたりしている。
・部品の形や色など、組み合わせを考えながら工夫している。
・自分や友だちの作品・活動からよさや面白さを感じている。
領域
A表現(2)
学年
5学年
時間
4〜6時間
材料・用具
木材(30cm位の木の棒)、木っ端、絵の具、接着剤、電動糸のこぎり、必要に応じてアルミ線など
図工室 各テーブルの横に電動糸のこぎりを置く。
活動の流れ
1/電動糸のこぎりの使い方を学習する。
2/ジョニーの状況を思い浮かべながら、波などの部品を切り、組み立てていく。
3/絵の具を塗るなどして仕上げる。必要に応じてアルミ線なども使っていく。
4/友だちの作品を鑑賞し、話をしたり聞いたりする。
子どもの様子
子どもたちは、「なみのりジョニー」という題材名にとても強く反応して、迷わずすぐにつくりはじめた。ジョニーの様々な物語がすぐに思い描かれて、「ジョニー」と「波などの部品」で遊びながら作品づくりは進んでいった。楽しそうな笑い声が聞こえる中、女子の多くは幸せな状況に、男子の多くは「ジョニー、ピンチ!」と、冒険の状態にと物語をふくらませていった。
初めての電動糸のこぎりの作業で、初めは「無理!」と言っていた子どもたちも、ジョニーの物語を表したくて、最後には小さな人型や部品も自分の力でつくりだしていた。ジョニーが気に入ったのか、その後も違う作品の題名にも、しばらくジョニーが登場していた。

「春の風」
指導者:加藤貴子(江戸川区立清新第三小学校) 

活動写真
007  加藤 かぜ 01.jpg007  加藤 かぜ 02.jpg007  加藤 かぜ 03.jpg007  加藤 かぜ 04.jpg
題材について
目に見えない風。春に吹く風のイメージを体で感じながら色と形で表します。いつの間にか子どもたちの内側には、個々のストーリーが生まれてきます。
評価規準
・ 目に見えない風を想像し表現することに意欲的に取り組んでいる。
・ 自分の想像する風のイメージをふくらませながら発想している。
・ 粉絵の具や水彩絵の具の特徴を生かしながら、表現の仕方を工夫している。
・ 自分や友だちの作品や活動をみて、よさや違いを感じとっている。
領域
A表現(2)
学年
高学年
時間
2時間
材料・用具
画用紙、粉絵の具、水彩絵の具(子ども持参のもの)、荒縄など
図工室、校庭
活動の流れ
1/それぞれがイメージする「春の風」の色を、粉絵の具を使って画用紙に表現する。
2/校庭に出て、お気に入りの場所で風を感じる。
3/自分が感じた風のイメージを絵の具で表現する。
4/皆の作品を並べて鑑賞する。
こどもの様子
目には見えないものを表現するという難儀なテーマに関わらず、子どもたちは自然に全身で風を感じていました。室内で表した風のイメージと、外に出て実際に肌で感じて表現したものとがうまく合致する子もいれば、校庭で「イメージが変わった!」と最初に描いたものの上から大胆に色を塗り重ねる子もいました。粉絵の具だけで表現する子、消しゴムで消しながら描く子、荒縄を使う子、葉っぱで描く子・・・。初めから春の風のイメージをもちながら描いている子、描きながらイメージが立ち上がっている子と活動は様々です。
「緑色の春の風が赤い風に変化する。夏にむかって。」「さわやかな、葉っぱが揺らいでいる感じ。」「先週の嵐みたいな強い風」と子どもたちが想像する風の印象も様々です。
子どもの活動が広がったり深まったりするとき、環境も大事なポイントです。青空の下、ゆったりとした流れのなかで自分の内面と向きあう子どもたちの姿がありました。

おしゃべりな花
指導者 :杉山裕子 (杉並区立方南小学校)

活動写真
003  杉山 おしゃべりな花 01.jpg003  杉山 おしゃべりな花 02.jpg003  杉山 おしゃべりな花 03.jpg003  杉山 おしゃべりな花 04.jpg
題材について
さまざまな種類の花を用意します。花の色や形、匂いや感触…などを感じながら、じっくり花を味わい、そこから自分なりの花を描き出していきます。
評価規準
・花を見て、感じたこと、想像したことを自分なりの表し方で絵に表そうとする。
・自分の思いをあらわすために、描画材を選んだり、イメージを膨らませたりする。
・絵の具の特徴や刷毛で描いた面を十分に活かし、自分の表したいものを工夫して表す。
・自分や友だちの作品を見ることで、自他のよさや面白さに気付く。
領域
A表現(2)
学年
高学年
時間
4〜6時間
材料・用具
画用紙(4種類くらいの大きさ)、水彩絵の具、アクリル絵の具、染料、刷毛、
図工室
活動の流れ
1/花を見て、感じる。
2/用紙、描画材を選ぶ。
3/感じとったものを描いていく。(最初の2時間は刷毛で描く。)
こどもの様子
図工室にあるいろいろな種類の大きな花。色や大きさはもちろん、甘くて、でも青臭い匂いに子どもたちは圧倒されたようです。花と戯れる時間をたっぷりもちました。花の香りを楽しんでは描き、描いては花に触る、これを繰り返すうちに、イメージはさらに広がったようです。「この花の色は赤が5種類ある。」「この花の香りは、紫っぽいな。」「花が話しかけてきたよ!」
子どもは見たものを「もっと知りたい!」と思うと、見るだけではなく、触ったり、匂いをかいだり、全身を使って感じようとしています。子どもたちは思い思いに感じたことや想像したことを色やかたちに表していました。
今回は主に刷毛を使いましたが、表したいイメージに合わせて、道具も選べるようにするとよいでしょう。